2008年08月31日

さよなら、じいちゃん

「おいヨシタカ、カキフライ作れるか?これでカキフライ作ってくれや。」

「じいちゃん、カキだけ買ってきたの?うちパン粉も小麦粉も無いよー。」

「なんでぇ、そんなもん使うか?」

「あのねえー。じいちゃん、80年も生きててフライの作り方も知らないの?」


あれから何度もカキフライを作ってあげた。美食家、というか、子どもみたいに好き嫌いの多いじいちゃん。昔に比べていろんな事が出来る様になったけれど、じいちゃんの食事を作ってあげられたのが一番良かったのかもね。


8月27日。

じいちゃんが死んじゃった。

今年に入ってからは、じいちゃんに合わせて予定を組んでいたので、突然予定をキャンセルしたりした事もあったにも関わらず、たくさんの友人知人がじいちゃんの心配をしてくれた。本当にどうもありがとう。

ビザがもう更新出来ないとか、New Yorkに感銘を受けたとか、Londonを離れた理由はあれこれ言っていたけれども、日本に帰る決め手は何より、じいちゃんと一緒にもう一度、暮らしたいと思ったからだった。

生まれてから名古屋を離れるまでの14年間、じいちゃんとばあちゃんと一緒に暮らした。そして今までずっと、この家を守り続けてくれた。

じいちゃんは、音楽と旅が何より好きだった。美味しいものに目が無くて、特にラーメンが好きで、写真を撮るのが好きで、本を読むのが好きで、何かにつけてはまり性で、病的に几帳面で、酒を飲むとすぐ顔が赤くなる人だった。

そう、僕はじいちゃんにそっくりなのだ。僕が何をしてもいつも、ばあちゃんは 「あんたはじいちゃんに生き写しだよ」 って言ってばかりいた。

「夢みたいだなあ。おまえが日本に帰って来てまた一緒に住めるなんて。」 照れくさそうに喜んでくれたじいちゃん。

じいちゃんは、人間はこうやって死んでいく、というのを最期に教えたかったんだと思う。次第に歩けなくなり、立てなくなり、食事やトイレも一人で出来なくなり、言葉も少なくなり、最期は目を動かすだけで・・・。まるで、生まれてくる過程を逆行している様で、神秘的ですらあった。

じいちゃん、泣くといつも怒ったから、最期までじいちゃんの前では泣かなかったよ。それでも、 「今まで育ててくれてありがとう」 って一言、泣かずに言うのが精一杯だった。

余命を宣告されても、危篤状態に陥っても、絶対にじいちゃんは死ぬわけないって思ってたのに。どんなに好きな人でも、やっぱり死んじゃうんだなあ。知らなかったよ。それでも、息を引き取る最期の瞬間まで、一緒にいられてよかったよ。日本に帰ってきたことは、間違いじゃなかった。

「お前の母さんは偉い人だ。母さんを大事にしにゃあいかん。」 いつもそう言って、娘を誇りに思っていた。そら母さんは凄いて、バケモンだわ。僕が母さんの後を継がないのは、母さんを超える事なんて敵わないからだもん。

そういえば、じいちゃんは随分ハイテクな老人だった。パソコンも携帯も持っていたのはもちろん、80歳を過ぎてからもSkypeで音声チャットをしたり、YouTubeで演歌の映像を観あさっていたりもした。最後に欲しがっていたのは、iPodだった。

通夜の夜は、じいちゃんの作った梅酒を飲んで、じいちゃんの柩の横でそのまま寝ちゃった。いつも兄弟揃ってじいちゃんの横で寝てたもんね。久し振りにまた横で寝かせてよ。

兄弟も8人いるし、日本全国に友達がいるから連絡が大変だったよ。

それでもみんな集まってくれて良かったね。

これからはみんなでばあちゃんを支えていかないと。今はうちらに任せて、ゆっくりしてね。

涙が止まらないけど、今は怒らないでね。

じいちゃん、またね。



G
posted by Yoshitaka at 17:45| Comment(13) | TrackBack(0) | Diary - Daily Life | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月25日

再生の誓い

まだ観ぬ憧れのバンドです。



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THE VERVEのニューアルバム「Forth」。

オープニングの「Sit And Wonder」、そして、先行シングル「Love Is Noise」。まさかこういう曲を冒頭に持って来るなんて、と思いましたが、聴き進めるにしたがって分かって来ました。

長い間、RICHARD ASHICROFTのソロアルバム達に心を奪われてばかりいて、そこから派生してTHE VERVEの中でのそういう側面ばかりが自分の中で美化されていて、元来あのバンドが持っていた凶暴さ、サイケデリックさを忘れかけていました。

その忘れかけていた部分を、これでもかという程前面に押し出した今回のニューアルバム。そして、一筋縄ではいかないサウンドの反面、実にコンパクトに仕上がっていて、聴く者を疲れさせません。Brit Pop最期の輝きといわれたこのバンド。課せられた宿命を、時間の洗礼を味方に付けて実に良い仕事をしています。

それでも怖さだけで無く安心も得られるのは、Richard Ashcroftの声が聴こえるからなのでしょうね。全く、この人は。

「Noise Epic」、「Columbo」の凄い事。先にも書いた通り、THE VERVEのライブはまだ観た事が無いのですが、過去の名曲を演奏する姿と同じくらい、本作の曲を演奏する姿を観てみたいと思いました。彼等はどうやら本気みたいですから。

ライブでの姿も、映像でしか観た事は無く。経験があるのはRICHARD ASHCROFTとしてだけなので、随分と違和感を覚えてしまうのかも知れませんね。

逆に「Urban Hymns」やRICHARD ASHCROFTから入ったファンは、こんなアルバムとても聴けたものではないでしょうね。唯一バラードらしいバラードもラストの「Appalachian Springs」まで待たされることになりますし、Liverpoolのバンドみたいに ”音の壁” に包まれていてなかなか素直ではありません。

恐ろしいまでに統一された楽曲が揃うこのアルバム。プリミティヴな部分に立ち返り、且つ解散前までとの差別化を図っているこのアルバムは、この先の継続的な活動を聴く者に約束しているかの様に、堂々としています。

「Bittersweet Symphony」に覆い尽くされる前のTHE VERVEが、静かにここに甦りました。
posted by Yoshitaka at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | Diary - Album Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

LAZYgunsBRISKY

いとしのパンクロッカー、ハマちゃんに言われるがまま、新栄のClub Rock 'N' Rollに足を運び、LAZYgunsBRISKYというバンドを観に行きました。

ハマちゃんが言う事に間違いはねえ。そう思って2つ返事で観に行ったこのバンド。女の子4人組のバンドなのですが、何かいちいち半端無かったです。

歳は変わらないか、寧ろ僕より下ぐらい。それなのに、あの音、あの声、あの格好。

ヴォーカルはギターを忘れたAngus YoungばりにキレてPatti Smithの様な声で歌い、後ろではSTOOGESみたいな轟音をぶちまける。でも演奏はSTOOGESより巧い。とんでもない。早くこんなクソ田舎抜け出して東京行かねば。

調子が良ければJanisやPattiになるらしいので、調子が良さそうな時を見計らってまた観に行かせてもらいます。いや、本当に良いバンド。素の感想しか出ません。不覚。







I misya, rock n roll pplllllllllllllllllllllllllllllllllllll

I misya, rock n roll baaaaaaaaand

お前の事だ。そこ、お前。お前だっつうの。


LINK WRAY聴こ。
posted by Yoshitaka at 01:10| Comment(0) | TrackBack(0) | Diary - Live Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月17日

サザンオールスターズ

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というわけで横浜、日産スタジアム。

30周年で6人中4人しかいないってどういう事だオイ。

まあ、それは置いといて。

いってきます。
posted by Yoshitaka at 16:53| Comment(2) | TrackBack(0) | Diary - Daily Life | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月12日

哀愁の裏に

悲しいタイトルとは裏腹に。



Artwork 82



EXTREMEのニューアルバム「Saudades De Rock」。

再結成を経て、実に14年ぶりのニューアルバムです。オープニングの「Star」、続く「Comfortably Dumb」、逸る気持ちを抑えてかかるこの2曲はオリジナル活動期最後のアルバム「Waiting For The Punchline」を思い出させました。 ”本当はこういう事がしたかったんだ” と苦し紛れに残した断末魔は今再び彼等のもとに戻り、14年前果たせなかった続きへ取り掛からせたのです。

こうして聴いていて何よりうれしいのが、やはりNuno Bettencourtが自発的に今回のEXTREME再結成に関わっているんだと実感出来るという事。EXTREME脱退後、MOURNING WIDOWS、POPULATION 1、DRAMAGODS、SATELLITE PARTYと様々なバンドで模索を続けてきたNunoは結局古巣へ戻った訳ですが、ここまで全うな事が出来れば本人も納得していると思います。

Nunoの真骨頂とも言うべき変則ギターリフ、変拍子、ポリリズムをこれでもかと取り入れた曲が並びます。もちろんギターだけで無く、Country調の「Take Us Alive」、静かなバラード「Last Hour」等、曲のヴァラエティーも豊かです。ただでさえ恐ろしかったGary Cheroneの歌唱力も、更に磨きがかかっている様です。VAN HALENに加入した事をNunoにネタにされつつも、是非これからも仲良くやってもらいたいものです。

他のメンバーに関しては、2005年に日本でのみ行われた再結成ツアーにはベーシストのPat Badger以外全盛期のメンバーが揃っていたのに、今回はPatが復帰していると思ったらドラマーのPaul Gearlyが不在。なかなか揃ってくれません。

ちなみに、2007年JANE’S ADDICTIONのPerry FarrellとNunoが結成して話題になったSATELLITE PARTYのメンバーは、ベーシストが前述のEXTREME再結成でPatの代役を務めたCarl Restivo、ドラマーが今回Paul代役を務めているKevin Figueiredoとなかなか面白い事になっていました。そんな夢の様な組み合わせをみせてくれたSATELLITE PARTYは現在、解散状態ですが、Perryもその後JANE’S ADDICTIONを再び再結成させてくれたので文句はありません。全ては還るべき所へ還るのです。

「Pornograffitti」信者には耳障りなアルバムかも知れませんが、JANE’S ADDICTIONの「Strays」が好きだった人には受け入れられるでしょう。そんな事を言っている間に、オリコン洋楽チャート1位を獲得したらしいので、少なくとも日本は彼等の帰還を祝福していると言えましょう。

あとは、ライブを観るだけです。
posted by Yoshitaka at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | Diary - Album Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月09日

サマソニ

今年は行きません。

誰か、一人でもいいから、名古屋に音楽の話が出来る人間おらんのか。

サマソニ行く皆さん、Richard Ashcroftによろしく。10月のRADIOHEADでまた会いましょう。
posted by Yoshitaka at 07:16| Comment(3) | TrackBack(0) | Diary - Daily Life | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月02日

出来の良い兄を持つと弟は苦労するものです。



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ANDY YORKEのソロデビューアルバム「Simple」。

Andy Yorkeの兄は、誰もが知っているあのRADIOHEADの核、Thom Yorkeです。世間から羨望の眼差しを集める兄を持ち、コンプレックスにまみれながらもAndyは90年代、UNBELIEVABLE TRUTHというバンドを成功裏に収めました。UNBELIEVABLE TRUTH解散後は音楽の世界から退いたAndyでしたが、今こうしてソロという形で音楽の世界に戻ってきました。


静かなタイトルトラック「Simple」から始まるこのアルバム。兄同様、スタジオで作り込む事が好きなのでしょう。実に丁寧に作られたトラックが並びます。

しかし、メロディーに関しては兄と全く異なり、実に正統派。叙情的な「Twist Of The Knife」、優しいオルガンの音色が導く「Always By Your Side」、コーラスワークとチェロが美しい「Let It Be True」等、アコースティックギターを軸にした、今の時期に似合いそうな良質のPops。TRAVISやあたりが好きな人は、このアルバムを気に入ることでしょう。

兄と比較されるのは本人が何よりも嫌う事だと思うので、ここら辺にしておきます。

でもその割には、「Lay Down」とかいう紛らわしい曲が入っているんですよね。遊び心でしょうか。

一定の周期でこういうアコースティックなアルバムが聴きたくなる僕にとっては、嬉しい1枚。かと言って変わらず音楽に癒しというものを求めてはいません。こういうアルバムを聴くと、実にクリエイティヴな心持ちになれるのです。

あくまで予想ですが、僕は恐らく、このアルバムに関する活動が一段楽した後に彼の取るアクションは、UNBELIEVABLE TRUTHの再結成ではないかと思っています。2005年と2007年にそれぞれ1度きりのライブで再結成しているUNBELIEVABLE TRUTH、再びコンスタントな活動をする事を望んでいる人も多いでしょうし。

このアルバムには、彼の音楽に対する愛が込められていると思います。今度は、その愛を損なう事無く、適宜な距離を保って活動してくれれば。

ところで、冒頭にも書きましたが、出来の良い兄を持つと、弟は苦労するものです。

だから僕は、これからも妥協せず出来の良い兄で在り続ける所存です。
posted by Yoshitaka at 23:59| Comment(3) | TrackBack(0) | Diary - Album Review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする