2007年04月29日

I Wanna Go Where The People Smile

Rock ’N’ RollとRockとは、違う音楽を指します。ジャンルの話をする時も、精神性を論じる時にも、この2つの言葉には明確な違いがあります。Yamahaの音楽教室ではそう教わりました。この事についてはまたの機会に書くとしましょう。

今日は、U.K.が生んだ最後のRock ’N’ Rollバンドと呼ばれたバンドを観に行きました。

1987年、GUNS N’ ROSES初のU.K.ツアーのオープニングアクトを務め人気を博したTHE QUIREBOYSが、目前に控えたメジャーデビューを前にギタリストを解雇します。そのギタリストはGingerという名前でした。

失意のGingerはTHE WILDHEARTSというバンドを結成し、デビューと共に本国U.K.を含むEuropeと、GrungeとBrit Popに挟まれて結局80年代式の音楽を引き続き受け入れる事を決めた日本とで空前の支持を得、以来THE QUIREBOYSが当の昔に忘れ去られた現在に至るまで神懸った人気を誇るバンドであり続けています。

このバンドは成功の裏に、数多くの苦悩を持ち合わせたバンドでありました。結局不本意なままで終わった北米進出、GingerとベーシストDanny McCormackのヘロイン中毒、所属レコード会社East Westとの長きに渡る確執。

”We wanna be fuckin’ popstar.”

そう言い残してGingerは、一旦THE WILDHEARTSの解散を宣言します。1997年の事でした。しかし、予定していたU.K.ツアーを解散発表後に全てキャンセルしたにも関わらず、翌1998年には ”日本の皆さんに最後の挨拶を” と称して早くも再結成、日本でのみラストツアーを行うという涙が出る様な親日振りを発揮。その後、1999年のBeautiful Monstersにてまたしても日本のみで再結成。そして、2001年本国U.K.にて1stアルバム「Earth Vs. The Wildhearts」時のラインナップで1997年以来となる再結成。アルバム「Riff After Riff」、「The Wildhearts Must Be Destroyed」を発表するも、2005年にまた解散を発表。しかし、同年また1回限りのライブを行う為に再結成。そして、昨年末、3度目の正式な再結成とニューアルバムの製作が発表され、今回のU.K.ツアーがめでたく現実のものとなったのです。

覚えているだけでも5回目の再結成となる今のTHE WILDHEARTS。まるでバルタン星人の様なバンドです。僕が初めて彼等のライブを見たのは、3度目の再結成を果たした後で彼等がまたしても空前の人気を誇っていた2004年の事でした。あの時はチケットが全く手に入らず苦労したのを覚えています。結局ダフ屋に50ポンド (1万2500円) も払ったというのは秘密です。

そして、残念ながらその時と同じく今回もDannyは不参加。Gingerとはプライベートでもとても仲の良いDanny、不参加はあくまで身体上の理由。2005年にScarborough Castleで行われた再結成ライブには参加していましたが、どうやら長期のツアーはまだ難しい様です。何せヘロイン欲しさに自分のパスポートを売ってしまう程のドラッグ中毒でしたからね・・・。ちなみに、僕は同年に行われたGINGERのソロライブを観に行き、Dannyがゲスト参加しているのを奇跡的に観る事が出来ました。

先日、GUNS N’ ROSESの来日公演が延期になって、 ”GUNS N’ ROSESだから仕方が無い” という話が久し振りに聞こえてきましたが、このTHE WILDHEARTSはGUNS N’ ROSESなんて比にならない程のキャンセル魔でして、もし今日のライブがキャンセルされたらその足でEarls Courtに行ってJIMMY EAT WORLDを観に行くという準備をしていました。

今回のLondon公演の会場はKoko。広過ぎず狭過ぎず、見晴らしも良くてTHE WILDHEARTSみたいなバンドを観るのにはもってこいの会場。僕の好きなライブ会場の1つです。

開演時間を20分程過ぎた頃、ようやく暗転して、いつもの様にオーディエンスが「Don’t Worry About Me」を合唱し始めました。良かった、今回は無事にライブを行うみたいです。

オープニングは「Vanilla Radio」。再結成後の曲ですが、もう既に定番曲になっています。待ち構えたオーディエンスが狂った様に暴れ始めます。もちろん、僕も。

うつろな瞳、ドレッドヘア、Gibson Les Paul Custom。Ginger、何度観てもかっこいい。

今回もステージの下手にはC.J.がいます。彼のギターはやはりGingerのギターと相性が良い。彼もGingerに負けない程の親日家で、東京に家も持っています。

Dannyの代役を務めるのは、元AMENのScott Sorryなるベーシスト。熱心なファンならご存知ですが、Gingerは2005年に僅かな期間だけMOTLEY CRUEのNikki Sixxと元L.A. GunsのTracii Gunsによるバンド、BRIDES OF DESTRUCTIONのメンバーでした。その時既にオリジナルメンバーによるMOTLEY CRUEのワールドツアー開始に伴いNikkiが脱退していて、その代役を務めていたのがこのScottだったのです。ここでうまいこと繋ぎとめていた訳ですね。

ライブは引き続き「Caffeine Bomb」、「TV Tan」と初期の曲が演奏され、「Someone That Won’t Let Me Go」が終わるまで息つく間も無く進むバンドとオーディエンス。会場全体が完全に呼応し合って、素晴らしいユニティーが生まれていました。あの場にいた誰もが心からTHE WILDHEARTSの帰還を歓迎していました。

ここで初めてGingerのMC。機嫌が良さそうで何よりです。THE WILDHEARTSという名前の下で活動すると、ビジネス上の問題がストレスとなってうまく動けない。Gingerは2005年から本格的に始めたソロ活動の中でそう語っていました。今度こそ、THE WILDHEARTSは本当に当分の間観られなくなるのかも知れない・・・。そんな一抹の不安を見事に解消してくれました。

THE WILDHEARTSの魅力、それは、何が出てくるか分からない福袋の様な雑多かつ整合感のある楽曲でしょう。変拍子はLED ZEPPELIN譲り、無骨なリフはMOTORHEAD譲り、ひねくれたポップセンスはSEX PISTOLS譲りと、U.K.に於けるRockの歴史を凝縮した様なサウンドを聴くに、何て才能だとつくづく思い知らされます。

ここで面白い考察を披露すると、Gingerの作曲プロセスは、松任谷由美の作曲プロセスに非常に似通っているという事にある時僕は気付いたのです。口で説明するのは難しいというかもどかしいのですが、1つ例を挙げるとすれば、とにかく言いたい事を言ってメロディーとリズムは後回し、という部分。だから何だと言われればそれまでですが、GREEN DAYのBillie Joe Armstrongの身のこなしが桑田佳祐に似ているのと同じ、単なる素敵な偶然です。

ニューアルバム「The Wildhearts」から新曲「The Revolution Will Be Televised」が披露されました。少し地味にも感じる程ストレートな曲ですが、どこを切ってもTHE WILDHEARTS状態のすぐにファンたちに受け入れられそうな曲です。

そして、再び「Suckerpunch」、「Nexus Icon」、「Sick Of Drug」と定番曲で攻め倒します。

「Everlone」のコーラスの合唱が胸に来ます。「Top Of The World」の歌詞と、それを歌うGingerの表情が胸に来ます。こんなに人間臭いバンドも、もう久しく生まれていないのかも知れません。

前回同様、意外と初期の曲をあまりセットリストに入れていませんでした。「Nothing Ever Changes But Shoes」や「Greeting From Shitsville」なんていう曲も是非ライブで聴いてみたいのですが。GINGERのソロライブではDannyと2人で演奏するアコースティック・ヴァージョンの「Nita Nitro」、「29 X Pain」が聴けて感動したのを覚えています。しかし、これらの初期の名曲を肝心のTHE WILDHEARTSで聴いた事が無いのは残念です。

「My Baby Is A Headfuck」で、オープニングから一切途切れる事無かった怒涛のライブが終了しました。THE WILDHEARTSの所属カテゴリーは一応British Hard Rockな訳ですが、限り無くPunk Rockに近いものを聴かせてくれます。それは同胞のTHE ALMIGHTYと一緒ですね。THE ALMIGHTYの方はどちらかと言うとHard Core寄りですが。

アンコールは新曲「Rooting For The Bad Guy」、そして、ジャム。Gingerのサイケデリックでスペーシーなギターソロは少し意外でした。彼がこんなに長いソロを執った事はあったのでしょうか。

メンバー紹介。C.J.コールが起こり照れるC.J.がまたかっこいい。そして、Gingerが丁寧にメンバー、スタッフ、オープニングアクトのバンド達、そしてオーディエンスにお礼を述べます。その全てに悪態をつく今日本で話題のAxl Roseとは間逆の精神。どちらも好きですけれどもね。どうしても精神が安定していない印象が付きまとうGingerですが、ファンや周りの人達をたいせつに扱ってくれるこの姿に真の男気を感じます。

アンコールラスト、待ちに待った「I Wanna Go Where The People Go」が始まります。オーディエンスが今夜最後の盛り上がりを見せます。体中に人の肘や膝や、とにかくあらゆるものがぶつかり合い、誰かの投げたビールが頭上から降り注ぎ、それでも誰もが笑顔で、目配せで謝った次の瞬間には肩を組んだり、コーラスで声を揃えて歌ったり・・・。バンドも、オーディエンスも、全てが僕に、僕がLondonに来たばかりの頃を思い出させていました。

思えば、ライブに来てこんなに初めて会った人と話をしたのも本当に久し振りで。あの頃は語学学校の友人はともかく生きた英語を話す現地の友人が欲しくて、ライブに行くと誰かしら知らない人に話かけていたものです。その中に、いつも応援してくださる新潟在住のあの方や、今やこちらで ”Londonの母親” と慕うあの方や、Nottinghamで靴職人を目指して修行なさっているあの方や、DRAGON FORCEのギタリストや、SIKTHのギタリストや、BRIGADEのベーシストがいらっしゃった訳です。本当にいろんな方と知り合う事が出来ました。

僕のこの国での人脈は、殆どがライブ会場で作られたものなんです。僕にとって音楽とは、遊びでも趣味でも無いんです。

今回のライブは、少しセットリストが短い様な気がしました。取り敢えず、また近いうちにLondonの近場でライブをお願いします。

僕の嫌いな言葉の1つに、 ”音楽は音を楽しむと書く” というものがあります。一体誰が楽しんでいるというのでしょう。この言葉を最初に遣った人は、また違った考えを持っていたのかも知れませんが、そうだとしてもこの言葉を間違った解釈で呑気に遣う人があまりに多い。

アーティストがステージの上で見せる笑顔というのは、自分達の国や世界や音楽業界の中でのあらゆる葛藤、呪縛からほんの一時解放され、オーディエンスと意志の疎通が出来た嬉しさが表れたものです。

ですから、誤解しないで欲しいのです。僕が、THE WILDHEARTSのライブを観て ”楽しかった” と表現する事に関して。

ここでは、 ”Rockが久しく忘れていた遊び心を演出するバンドに心ゆくまで満足させられた” という感想を、 ”楽しかった” という言葉に置き換えるとします。

楽しかったです。こんなに楽しかったライブは、いつ振りでしょうか。そうですね、3年前にHammersmith Palaisで観たTHE WILDHEARTSのライブ以来でしょうかね。



I Wanna Go Where The People Smile
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2007年04月28日

死狂い、演劇

思いがけず素晴らしい演劇を観る事が出来ました。演劇を観る事自体、何年振りでしょう。

日本が世界に誇る演出家、蜷川幸雄演出によるシェイクスピア最後の悲劇「Coriolanus」のLondon公演が、世界の芸術界を牽引するBarbican Theatreで行われました。

主演は、唐沢寿明です。

オーディエンスはイギリス人と日本人と約半々。やはり ”世界の蜷川” なのだなと思いました。そういえば、以前ここBarbican Theatreに来たのは坂本龍一のライブ、荒木経惟の写真展と、日本人アーティストによる催し物ばかりでした。

僕は高校時代、演劇部に所属していましたが、本当に短い時間自分をその世界に置いただけであって、こういう機会に恵まれ、さらにはそれについて感想を書く、という事になると些か引け目を感じてしまいます。

自分に足りない何かを求めて、ありとあらゆる芸術、時にはもちろん芸術以外のものに対しても触れて来たというのが僕の人生であり、その折々には必ずその世界に精通した親しい友人達がいました。そして、そういう尊敬する友人達を前にして何か意見を言うというのは、なかなか気の進まない事だったりするのです。

ですから、本当に思った事を率直に書くだけにします。

 ”日本は世界の中の田舎。しかし、何でも手に入ってしまう田舎。だからこそ、外に出て相対的に自分という存在を評価してもらわなければならない。”

開演を目前に控えた先週、蜷川氏はLondonの日系紙「News Digest」でのインタビューでこう語っていました。

そして、今夜、舞台の上にはまさしく世界の目に晒されようと闘志を剥き出しにした生身の日本人達がいました。

オーディエンスはもちろん日本人だけではありません。当然イギリス人もいる訳なのですが、今回の舞台は全編日本語にて上演されました。

舞台の両脇には電光掲示板で英語の字幕が設けられていましたが、

 ”What say thou to’t?”

そこに映されていたのは、シェイクスピア・イングリッシュでした。「Coriolanus」はシェイクスピアによって書かれた劇なので考えてみれば当たり前の事なのですが、それに気付いた時にこの舞台の持つ冷徹さというか不気味さというか、そんなものを改めて感じ取る事が出来ました。

劇の舞台はローマ帝国。しかし、広間には毘沙門天像、元老院達は扇子を手にして座布団に座り、召喚された将軍は腰に日本刀を据え、戦闘する場面は正に日本の時代劇の殺陣・・・。そんな感じに、遊び心とも狂気とも取れるAsiaとEuropeの文化が融合されていました。

切り殺された人がその場にうずくまらずにそのままの動きではけて行く戦闘の場面に代表される、例えて言えばフラクタルの様な登場人物達の動き。まるで舞台裏で蜷川氏が漸化式を入力し、それに伴って形を変える自然現象の様に、動いていく登場人物。これこそ日本ならではのものではないでしょうか。

今夜、蜷川氏が舞台を通して演出していたのは、 ”ここから遠い東の彼方にある日本” ではなく、 ”皆の心の中にある日本” でした。その点は、映画「Kill Bill」の中でQuentin Tarantinoが拘った観せ方とも共通していると思います。

そういった意味で、日本でここまで日本を演出したものを観る事は逆に難しいのかも知れません。もし出来たとしても、観せる対象となるのが日本人だけでは意味が無いからです。

一緒に観に行った演劇関係の友人と、唐沢氏の演技がどんなものかと話していましたが、主演という性質上、結局真価は見定められないままに終わりました。もちろん素晴らしい演技を観せてくれたのは確かです。脇を固める勝村政信、白石加代子、吉田鋼太郎、瑳川哲郎といった役者陣も素晴らしかったです。特に、いつもテレビで見る限りでは3枚目俳優の印象がある勝村氏が、予想だにしなかった迫真の演技をこなしていた事が驚きでした。

開演と終演の際に表れる、オーディエンス全体を映す象徴的な鏡。現実と舞台の境界を一瞬にして印象付ける役割を果たしていましたが、それはこの事象に限らず、言ってしまえば生と死の境界にあるものも、多分あんな感じのものなのだろうなという考えにまで至らせました。

 ”芸というものは実と虚の皮膜にあるものなり。虚にして虚に非ず、実にして実に非ず、その間に慰めがあるものなり。”

遥か昔にどこかで目にした、近松門左衛門の言葉です。あの鏡が、この言葉の意味をようやく僕に教えてくれました。

観客席で拍手をしているだけの自分を、いつも悔しく思います。

 ”世界はここだけでは無い。”

劇中に出てくる、印象的な台詞です。いつだってそう思いたい。世界はとてつもなく広い。僕はまだ、Europeという1つの世界でものを見聞きしているだけに過ぎないのですから。

言葉で伝え切れないものがあるからこそ、この世界には人と人の間に芸術という媒体が存在するのでしょう。

席を立った時、僕の席のある列の出入り口に、まさかとは思いましたが見覚えのある方が立っていました。

蜷川氏でした。

目が合って、言葉を失くして立ち尽くしてしまった僕を見て、蜷川氏は優しく微笑んでいました。

故Syd Barrettが廃人になった後でも尚そうであった様に、目の輝きだけは隠し切れないものなのですよね。

あの眼差しは、いや、何でもありません。

要は、そういう事なのです。
posted by Yoshitaka at 00:30| Comment(7) | TrackBack(0) | Diary - Daily Life | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月23日

ケンブリッジ

友人に会いにCambridgeに行って来ました。

同居人と2人で行って来た訳ですが、いやいや、いろいろ困難がありましたよ。

まず、Cambridge行きの電車に乗る為にKing’s Cross駅に向かいました。切符を買う前に時間を調べておこうと駅員に時間を聞くと、こんな返事が。

”今日はCambridge行きの電車はありません。” 

いきなり出鼻をくじかれる2人。

Liverpool Street駅からは通常通り出ているらしいので、再びバスに乗ってそちらに向かいます。二度手間。

無事にLiverpool Station駅から電車に乗り、Cambridgeへ。

今日は天気も良く気温も高くて素晴らしい日でした。車窓から見えた菜の花畑が素敵。


Cam 1


1時間程でCambridgeに到着。懐かしいです。約2年振りです。駅を出てすぐ友人とも会えて、同居人はCambridgeに初めて来たので彼を連れて少し街を見て回る事に。

Cambridgeと言えば大学。以前来た時は簡単に中に入れた気がしたのですが、いつからか入場料を取る様になっていました。取り敢えず外側だけ眺めて歩きます。


Cam 2


Cam 3


しかし、同居人はとにかくフリスビーがしたいらしく、フリスビーを求めて彷徨い始めます。立ち寄ったスポーツ用品店は、クラブBallareの裏でした。懐かしいです。


Cam 4


めでたくフリスビーを入手する訳ですが、フリスビーをする前に、どうしても見ておきたかった場所がありました。

Cambridgeは、昨年他界した元PINK FLOYDのSyd Barrettが生まれた街であり、音楽界を引退してから再び療養で住んだ街でもあります。

Corn Exchange。元PINK FLOYDの故Syd Barrettが生前最後のライブを行った会場です。


Cam 5


次に、Sydの生家を訪ねてみようと思って調べた住所を頼りに行くのですが、それらしい場所は見付からず。確かに家はあったのですが、確信が持てず。

しかし、こんな静かな場所ならさぞ心も休まった事でしょう。事ある毎に目撃情報が出回ったのも昔の話。狂ったダイアモンドは、今安らかな眠りに就いています。

近くにあった広い公園で休憩。同居人が持ってきていたギターを借りて、Sydへの想いを込めてPINK FLOYDの「Wish You Were Here」を演奏しておきました。

テニスに行った友人を待つ間、ひたすらフリスビーとついでに買ったバドミントンに明け暮れる2人。友人が戻って来てからも、ひたすらフリスビー。日が暮れても、ひたすらフリスビー。

フリスビー、フリスビー、フリスビー。

今日1日で、この3人は驚異的にフリスビーが上手くなりました。明日は間違いなく筋肉痛。


年甲斐も無く真剣な顔つきでフリスビーに挑む2人のギタリスト。


Cam 6


Cambridgeという至極インテリな場所でブーン ⊂ニニニ(へωへ)ニニニつ てする東大生 (右) とロン大生 (左) 。


Cam 7


楽しかったです。ようやく春休みを満喫した気分でした。1週間に1日でもこんな日があれば、余裕を持って生きられるんだろうなと真剣に考えました。近頃、どうすれば余裕を持って生きられるのかを真剣に考えています。

次はまたLondonでね。どうもありがとう。

取り敢えず、後ろの犬が良いよね。
posted by Yoshitaka at 20:19| Comment(6) | TrackBack(0) | Diary - Travel | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月22日

探さな(ry

ササナミの神に会いにケンブリッジに行ってきます。

ケンブリッジは2年振りです。出来れば、神様の家も観てこようかと。
posted by Yoshitaka at 18:29| Comment(2) | TrackBack(0) | Diary - Daily Life | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月20日

Kevin Dubroiw逝去

QUIET RIOTのヴォーカルKevin Dubrowが亡くなられました。52歳。突然の死でした。

QUIET RIOTと言えば後にOZZY OSBOURNEのギタリストの座に就き、世界中にその名を知らしめたRandy Rhoadsが在籍したバンドです。Randy亡き後もHeavy Metal全盛期の象徴として活躍し続けた息の長いバンドだっただけに惜しまれます。

ご冥福をお祈り致します。


http://www.roadrunnerrecords.com/blabbermouth.net/news.aspx?mode=Article&newsitemID=85558
posted by Yoshitaka at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | Music News | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

神の脚

Sylvie GuillemとAkram Khanによるコンテンポラリー・ダンス、「Sacred Monsters」を観に行きました。

会場のSadler’s Wellsは割と新しい造りの劇場で、無機質な客席とステージがいかにも前衛的。

バレエ関係の友人達にSylvieは観るべきと勧められ、僕も1度観ておきたかったので今回足を運んだ次第です。

僕は完全にこの世界に関しては初心者な訳でして、Sylvieが如何に名声を得ている世界的なダンサーかという事はインターネットで検索すればすぐに分かる事なので説明は割愛します。

暗転、開演。ステージの上にはSylvieとAkram。そして、下手にはバックの音楽を演奏するバンドが。

予期せぬ事にこの音楽がまた素晴らしくて、THE MAHAVISHNU ORCHESTRAとROYKSOPPが交互に演奏し、それらを繋ぐ様にして歌詞を忘れてハミングを続けるENYAがいる様な感じ・・・。つまり、Asiaのエスニックな音階を模した北欧民謡をケルト民族音楽の歌手が歌っている様な、全く新しい解釈の音楽でした。

その音楽に乗せて、静かに動き出す2人。Sylvieの両手は鎖で繋がれており、Akramのステップからは鈴の音が聴こえて来ます。そして、Sylvieのソロ。彼女の動きは・・・。いや、無理です。こんな稚拙な知識だけでは畏れ多くて口に出して説明出来ません。

取り敢えず、彼女の脚は化け物です。

どんなポジションからも意のままに操り、そして、静止。あれは相当な身体能力を要求する動きなのだろうと、初心者からしても怖い程よく分かりました。

かつてRobert JohnsonがMemphisの十字路で悪魔に出会い、魂と引き換えにどんな曲でも何人分のギターでも1人で同時に演奏する事が出来る指を貰った様に、彼女も何かと引き換えにあの脚を授かったのかも知れません。

やがて、Akramがソロを始めます。彼の動きは予めプログラムされた機械の様で、凄まじい精度と強かさを湛えていました。そして、上半身と下半身で全く別のリズムを保持して踊り続け、そこで語りだすという離れ業。この人も異様なまでの身体能力を秘めていますね。

そして、Sylvieが再びステージに戻り、Akramは休憩を挟まずそのままSilvieと一緒に踊りだします。白一色に統一されたステージの上で、2人の肌の色のコントラストが美しかった事。

途中、SylvieがAkramに抱きかかえられる格好になり、そのまま長い間Akramの体に脚を絡ませ、一度も地面に足を付けずに踊り続けた場面がありました。あんな事はこの世界では日常茶飯事なのかも知れませんが、初めて観た者にとっては驚愕そのものです。

その後、Akramの語りによって会場に笑いが起こり、Sylvieがそれを茶化してまた笑い、という様にリラックスした雰囲気に一転。

SylvieのFrance訛りの英語がかわいらしい。多分、本当は英語だって充分堪能な筈だと思いますが、敢えてあの様に話しているのかなと思いました。フランス人独特の、始めは英語を喋っているなと分かるんですが、次第に各々の単語の発音が怪しくなってきて、語尾になると完全にフランス語に戻ってしまうというあの愛らしい感じ。

ここから先は、ダンス評論家の友人に頼まれた為、ステージでの2人の会話を日本語に訳していきます。もしこれからこの舞台を観る人がいて、内容を知らされたくなかったら見ない方が賢明かと思われます。

SylvieとAkramは、互いに恐れている事を告白し合います。Sylvieは歳を取って役立たずになり、何処からも声が掛からなくなってしまう事を恐れているのに対し、Akramは髪の毛が無くなってしまう事を恐れていました。ちなみに、Akramはスキンヘッドです。

Sylvieは昔英語を勉強していた時にとある形容詞に出会い、それをいつまでも忘れない様にしようと心に誓ったそうなのですが、その肝心な形容詞を忘れてしまったそうです。突然イタリア語でならそのニュアンスを伝えられるかもとイタリア語を喋り出す場面もあり、Akramはイタリア語に関してはピザの名前しか分からない等と茶化してSylvieを怒らせます。

その形容詞とは、例えて言えば、クリスマスツリーを眺める子どもの目の輝きだとか。

Sylvieを慰めようとして、それならば2人で一緒に退屈で醜い踊りをしてみようとAkramが誘います。そして、それに賛成して2人で踊り始めるのですが・・・。これがかえって、2人の卓越した技術を観せる事になってしまうという。

途中、2人の動きが一緒なのにも関わらずディレイをかけたかの様に少しだけずれて見える部分があり、注意して観察するとSylvieは表拍子で、Akramは裏拍子でステップを刻んでいる事が判明。コミカルな動きに笑いが起こる場面もありましたが、本当に面白い事は頭の良い人、優れた技術を持った人にしか出来ないのだなと思い知らされました。

ラストは2人とバンドがタイミングを外してしまい・・・。という演出で終了。今回の舞台ではSylvieのかわいらしい部分が垣間見られると聞いていましたが、あのかわいらしさの裏には必ず、想像を絶するストイックさとアカデミックさが秘められているのでしょう。

で、そのSylvieが忘れてしまった形容詞というのがラストまで明かされなかったのですが、僕が思うにそれは”enthusiastic” ではないのかなと思いました。同じ想いを享受してくれる人を求めて、こういう神懸かったものを表現した時、その空間でアーティストとオーディエンスを繋ぐのはこの言葉では無いかなと思ったのです。

僕は以前、Londonを去る友人に、どうしようもなく凄くなれば、あらゆる既成概念やイデオロギーの違いを超えて世界と繋がる事が出来るという話をした事がありました。

音楽を全く知らない人でもSIGUR ROSのライブを観るとまたと無い感銘を受けるのと同じ様に、彼女の踊りもまた、世界中の人々のインスピレーションになり続けるのでしょう。
posted by Yoshitaka at 19:18| Comment(5) | TrackBack(0) | Diary - Daily Life | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月19日

日本の皆さんには真に申し訳無い話

という訳でですね。

日本の皆さんごめんなさい。

RAGE AGAINST THE MACHINEのU.K.ツアーが発表に、ならなかったので。僕が行くことにしました。

7月、New Yorkに行きます。

あのバンドを観る為に、6時間掛けて大西洋を渡ります。U.S.初上陸です。

RAGE AGAINST THE MACHINEがライブするのはRock The Bell 2007というHip Hopのフェスティヴァルなのですが、他のメンツもまた凄い。再結成WU-TANG CLAN、CYPRESS HILL、PUBLIC ENEMY・・・。RAGE AGAINST THE MACHINEとWU-TANG CLANはかつてRock界とHip Hop界の代表として歴史的なジョイントツアーを行った仲でもあるので、この2組がまた一緒に観られるというのは奇跡としか言い様が無い。

取り敢えず、今からもう既に前後不覚で、どうしたらいいのか分かりません。あと3ヶ月。待ちきれません。
posted by Yoshitaka at 23:59| Comment(4) | TrackBack(0) | Diary - Daily Life | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月16日

零の概念

キャッチーなままでもう1枚。



Artwork 66



NINE INCH NAILSのニューアルバム「Year Zero」。

思いもよらぬ短いスパンで発表されたニューアルバム。不気味にキャッチーなところは、前作「With Teeth」同様。しかし、本作の方が圧倒的に暗い。

前作に伴うツアーで5回、彼等のライブを観ましたが、毎回尽きる事無く繰り出されるヴァラエティー豊かな演出の妙には感銘を受けるばかり。そんなツアーの合間に、アルバムもう1枚分のアイディアをしたためていたなんて、やはりTrent Reznorは只者ではありません。

ちなみに、これは僕の中でだけなのかも知れませんが、彼等の曲が他のミュージシャンの曲とリンクして聴こえる事がよくあります。例えば、「Head Like A Hole」がDEEP PURPLEの「Smoke On The Water」と等。このアルバムでは、「The Beginning Of The End」のイントロが始まった時、僕の頭の中でTHE KNACKの「My Charona」がかかり始めました。

今年のツアーでも披露された「Survivalism」、ライブで聴いたヴァージョンよりもかなり静かです。この曲や「Vessel」等、メロディーラインが今までに無いトライヴァルな感じで実験的です。そして、それらにも増して「Capital G」とか、どうしたのかな、という感じ。別に良いのですが、そういう次元での器用さは、このバンドには、というかTrentには似つかわしく無い様な。

音像が示すとおり、彼は総じて昔よりも精神が幸福に向かっているのかなと思います。「My Violet Heart」の様な一聴して怖い曲でも、昔とは違った明るさが窺えます。歳を取ると人間丸くなると言いますが、そんな簡単なものなのでしょうか。

とか書いた矢先に、「God Given」の明るさが打って変わって怖くて安心しました。この怖さはKORNの「Follow The Leader」のそれに似ています。

当たり前の様に売れるのでしょうが、話題性に少し欠ける様な気がします。西暦0年説に基づくコンセプト、隠されたゲーム機能と色々備わっていますが、それだけでは無い気が。それでも純粋にこれからも聴く機会は多そうなアルバムですが。

このアルバムをメインにツアーは考えているのでしょうか。いや、それは無さそうです。この発表のタイミングは、THE YELLOW MONKEYのラストアルバム「8」を僕に思い出させました。

別に他意はありませんよ。
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2007年04月14日

Class Blindfold

しつこくも、4度目のDEFTONESのライブです。

昨年だけで3回。Download Festival 2006、Summer Sonic 2006、そして、ニューアルバム「Saturday Night Wrist」発表を記念したLondonだけでの単独公演。

今回の会場はBrixton Academy。前回の単独公演はアルバムのリリースパーティーを兼ねていた訳で、正式な意味での単独公演を観るのは今回が初めてとなります。

Brixton Academyは家からも近いし、音も良い方だし、広くても観やすい造りだしで好きな会場の1つです。それに対して前回のElectric Ballroomは平坦で奥行きだけがあって、オーディエンスが入れば入るほど後ろにいる人はステージが殆ど観られなくなるという酷い会場です。

本当は先月に観ている筈だったこのライブ、Chino Morenoの病気により延期されて今日になりました。あの時期、NINE INCH NAILS、TOOL、INCUBUS、RED HOT CHILI PEPPERS、THE WHO、GUNS N’ ROSESと何故か世界中でキャンセル、延期騒動が頻発していましたね。取り敢えずDETONESは無事に延期となった日程もこなしているので安心しましたが。

DEFTONESがどういう演出でライブを進めるのか、野外やリリースパーティーでは分からなかった部分が今夜ようやく分かります。観慣れた感のあるDEFTONESですが、少し会場の雰囲気も違いますしね。

静かなSEの中、暗転した会場に1人ずつ現われるメンバー。狂った様に躍り出て、オーディエンスを挑発するChino Moreno。オープニングは、「Korea」。そして、「My Own Summer (Shove It)」でもう容赦無し。Chinoはそのリズムに合わせて陽気にステップを刻み、不気味。

マイクを持つ時、コードを何かの紋章を描く様に右腕に縛りつけるChino。あれは何か意味があるのでしょうか。

前半、披露された新曲は既にニューアルバム「Saturday Night Wrist」発表前からライブで披露されてきた「Beware The Water」だけで、「Root」、「Nosebleed」、「Be Quiet And Drive (Far Away)」と定番曲が続きます。

「Around The Fur」のラストに、JUSTIN TIMBERLAKEの「Sexy Back」をカヴァーしてオーディエンスの笑いを取る彼等。確かにおかしかったですが、演奏は真剣そのもので少し怖かったです。

「Digital Bath」、そして、前回オープニングに演奏されて驚かされた「Knife Party」。それにしても、彼等の曲の名前は象徴的なものが多いですよね。

ここで、バックにニューアルバム「Saturday Night Wrist」のジャケットが現われ、「Mein」が始まります。このアルバムは今までに無いDEFTONESの姿に挑戦しているもので、その為ライブでは前後の曲との組み合わせ方、繋ぎ方が重要になってきます。ちなみにこの曲は、アルバムではSYSTEM OF A DOWNのSerj Tankianとデュエットしていますね。DEFTONESの曲はChinoがAlternativeシーンの有名なヴォーカリストとデュエットしているものが多いです。

続いて前回初めて披露された「Hole In The Earth」。この曲を聴いた時は、ニューアルバムが一体どういうものになるのか、期待しつつ本当は不安でした。前作「Deftones」がいまいちの結果だっただけに、ですね。しかし、アルバムを買って聴いて、そしてこうしてライブに来てみて、今回のアルバムはかなり良い線を行っているのではないかと思います。

「Passenger」。一度でいいから、オリジナルの音源通りTOOLのMaynard James KeenanとChinoがこの曲をデュエットするのを観てみたいです。その望みが叶いそうだったのが、昨年のDownload Festival 2006の1日目。DEFTONESとTOOLが同じ日に同じステージに立つという事で、かなり期待していたのですが、Maynardが出番の前にオーディエンスに出る事を嫌った為か実現せず。ちなみに、その時は出番がDEFTONESの前であったSOULFLYのMax Cavaleraが登場し、「Headup」をデュエットしてくれて感動しました。

「Back To School」、「Bored」、「Engine No. 9」と続き、本編は終了。彼等のライブはいつも長く、観応えがあります。

そして、いつも思うのが、Chinoのカリスマ性。手の動き1つでオーディエンスを動かし、常にステージ上で暴れ回るその姿は何度観ても凄まじい。昔の痩せていた頃も随分かっこよかった記憶がありますが、今の姿も貫禄と怖さがあって好きです。

アンコールは新曲「Cherry Waves」で始まりました。そして、「Lifer」へ・・・。DEFTONESはこれまで何度も観てしまっているので、どうしても単調なレポートになってしまいがちですが、取り敢えず何が言いたいのかというと、彼等の演奏する曲は本当に1曲1曲の持つ世界というか、説得力が凄まじいという事なんです。

そして、半ば諦めていた頃に、この場にいる誰もが期待していたであろう「Rats Rats Rats」が。今回のニューアルバムの中でもとりわけ異彩を放っていたのがこの曲。DEFTONES、というかChinoらしい曲。でも、彼の歌い方は昔と比べて少し変わりましたね。より生々しいというか、怖い感じ。

ラストは定番の「7 Words」。ライブでの重要なポジションはいつも「Adrenaline」収録の曲が占める感じです。バンドもオーディエンスが一緒になって ”Suck” と叫ぶ、この一体感が何とも陽気に思えて、やはりこれも怖いです。

そう、僕がDEFTONESを好きな理由。それは、怖いから。だから、 ”好き” という表現も何だか似つかわしく無くて、いかがなものかと。

ここへ来て、ようやく正式な単独公演を観る事が出来ました。彼等が今回のニューアルバムとツアーを通してまた自信を取り戻してくれたら嬉しい限りです。



Class Blindfold
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2007年04月09日

雲の切れ間の向こう側

今日は少し天気が悪くなっていました。アイルランドの気候は、Englandのそれよりも更に不安定なんです。

まずは、街の中心から少し離れたところにあるギネスのストアハウスへと向かいます。

地図を見ると、宿泊しているホステルの近くを通る路面電車の線路を辿って行くと上手い具合に辿り着くことが出来る様なので、折角なので歩くことにしました。

途中、有名なライブハウスAmbassadorを偶然見つけました。今日はHeavy MetalバンドTRIVIUMがライブをするらしく、まだ朝なのにも関わらず女の子達が場所取りをしていました。近頃のHeavy Metalバンドは皆フロントが美形だからか、女の子のファンが非常に多いです。



Dublin 11



Dublinの街はリフィー川に南北にわけられていて、川の北側は静かで落ち着いた感じの街並みになっています。建物も古く、下町といった感じです。



Dublin 12



歩くこと30分程。川の向こう側に、広い敷地とそのあちらこちらの建物に ”Guiness” の文字が。かなりの広さです。外側を周ってストアハウスに向かう格好になるのですが、敷地が広い為にここからまたかなり歩くことに。



Dublin 13



そして、ようやく辿り着いたストアハウス。昔のままの煉瓦造り、石造りの倉庫、かつては出来たばかりのギネスを載せて貨物列車が通って行ったのであろう線路の跡がそのまま残されていました。



Dublin 14



Dublin 15



Dublin 16



中に入ると観光客の長い列が。製造過程の見学が出来る様になっていて、それを見終えるとギネスの試飲が待ち構えているのですが、あまりに混雑していたため断念。別に飲む事は外でも出来ますし・・・。しかし、ここDublin、1パイントの値段がLondonよりも高いんですね。驚きました。基本的に物価は高めですね。同じ滞在日数で、1月に行ったBarcelonaの約2倍のお金を遣いました。

何かDublinらしい土産を、といろんな場所で物色するのですが、どれを手に取ってもLondonで買えそうなものばかり。というわけで今回は殆ど何も買って来ませんでした。悪しからず。

雲行きがますます怪しくなって、雨が降り出してしまいました。仕方無いので何処かで昼食にしようとまた街の中心の方に向かって歩いていきます。

そうそう、日本ではまず起こり得ないのですが、僕は本当によくこちらで女性に間違われます。ギネスのストアハウスから帰る道でも、人に道を聞かれたのはいいのですが女性だと思い込んでいたらしくてたいそう驚かれてしまいました。ライブ会場で男子トイレに並んでいる時等も、よく注意されてしまいます。髪は切ったんですけれどもね。何故でしょうか。

連日肉料理とギネスで胃がもたれていたので、何か軽いものをと探し回るも、Londonでも同じ様になかなか見つかりません。

暫くして、雨宿りに入ったショッピングモールでWagamamaを見付けました。Dublinまで来て味噌ラーメンを食べたというのは秘密の方向で。

休憩していたら雨も止んで、何処に行こうか考えます。明日の朝もうLondonに帰ってしまうので、Dublinを歩き回れるのもあと数時間。

ふと郊外に抜けてみたくなり、あても無く路面電車に終点まで乗ってみる事にしました。BGMはU2の「The Joshua Tree」です。

天気も徐々に回復し、それに伴い次第に景色が都会から田舎へ。路面電車と平行して位置するクリークが何とものどかでした。



Dublin 17



終点に向かうにつれて、段々と緑に囲まれてきました。終点に着くと、周りには住宅しか無く、駅の前には淡白なショッピングモール。この景色、知っていました。

確信を胸にそのショッピングモールを抜けると、そこにはやはり、辺り一面を見渡す事が出来る丘が。そこに向かう自分の行動もよく理解出来ませんでしたし、それはデジャヴの様なものかと言われれば、その様な定義を誰かが示唆してからよりも遥かに原生的な何かでしょう。



Dublin 19



ここに立って、雲の切れ間から差し込む陽の光が不規則に山肌を照らすのを眺めながら「Where The Streets Have No Name」を聴いていると、自分と周りの境界が無くなってしまった様な不思議な感覚に包まれました。

どの通りにも名前が付けられていない、あらゆる意味から開放された場所に。やがて地球そのものを演じることになる彼等の旅は、こうして始まったのかも知れません。

いや、U2の事なんてこの際どうでも良くてですね。

1人の人が享受出来た、1つの体験として。

街に戻るにつれて、また自分が明確に元の輪郭に収まっていくのが分かりました。完全に人の手から隔離された自然が、この国にはいたる所に残されています。もしかしたらそういう場所では、更に計り知れない感覚を享けることが出来るのかもしれません。しかし、今回の体験は、その様な場所では無く、自分が生きる世界の淵に来て、とある境界を目の前にしてこそ起こり得たものでして。

勘違いとか馬鹿とか、どう思われても構いませんが、備忘録としてここに記しておきます。

アイルランドの旅は、こうして静かに終わりました。誰かと一緒に行く旅も好きですが、1人の旅は本当に気ままで良いですよね。もし誰かと一緒だったら、 ”路面電車に乗って終点まで行ってみない?” なんて事は言えませんものね。



Dublin 19
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2007年04月08日

神様達に会える街

さて、いよいよDublinです。長い間僕の行きたい街の1つでありました。

Dublin、僕が想い描いた以上に、素敵な街でした。



Dublin 2



そして、この街に来たからには、会わなければならない人がいます。今日はまず彼を探しに出掛けました。

街の中心に位置するデパートやホテルが立ち並ぶ通り、Grafton Street。ここに彼がいると聞きました。ホテルの正面に向かう横道にある、パブの前。だいたいの居場所を下調べしただけだったので不安でしたが、すぐに会う事が出来ました。


Dublin 3


Phil Lynott。アイルランドが生んだ世界的Rockバンド、THIN LIZZYの創始者です。IRON MAIDENからASHまで、世界中のありとあらゆるバンドというバンドに影響を与えたTHIN LIZZY。その絶対的な支持は今に至るまで普遍のものとなっています。

まだ朝なのに、写真を撮っている人がたくさんいました。2年前に行われたこの銅像の除幕式、そして、THIN LIZZYの歴代メンバーが集って行われた記念ライブ。僕ももちろん行きたかったのですが、世界中からファンが集まったあのイベント、チケットを取る事すら叶いませんでした。

ここにいると何だか立ち去り難い感情に囚われてしまい、結局、この2日間の滞在中何度もここを訪れてしまうのでした。

続いて、服屋、レコード屋、パブ等があつまって昼夜賑わっているTemple Barという所に向かいました。ここは丁度Londonで言えばCamdenみたいな所ですね。ストリートミュージシャンがたくさんいました。カウボーイの格好をした中年の男の人がJAMES BROWNみたいな声でELVIS PRESLEYみたいな曲を歌っていました。僕は少しでも気に入ったストリートミュージシャンがいると必ず小銭をあげると決めているのですが、この人は小銭をギターケースに置いた途端、お礼を言って謎の貝殻をくれました。そのシュールさが気に入って、一応取っておく事に。



Dublin 7



そして、ここにもいましたよ。Rockの神様、2人目。



Dublin 4



彼もね・・・。僕がもう少し早く生まれていたら、最後の来日公演も行けていたのかも知れません。RORY GALLAGHER、素晴らしいギタリストです。僕が語るには及びません。ここにも、長い時間立ち尽くしてしまいました。

この並びに、Hard Rock Caféがあったので友人に土産でも買っていこうと立ち寄りました。そしてですね、いきなり入り口を入ると視界に入ってきたものがこれでした。



Dublin 5



呆然。

U2が1992年から翌1993年にかけて行った世界最大規模のRockバンドによる興行、「Zoo TV」ツアーで、 ”照明” としてステージに設置された車、Trabantsです。日本にも来ましたよ。

店員に聞いたら、本物だそうです。参りました。Dublin、恐るべし。

U2のレアなグッズを取り扱う店が幾つかかありました。何か記念に買って帰ろうと思いましたが、どれも値段が高過ぎて無理。



Dublin 6



そういえば、ポストが緑色でした。Irelandの国旗にも使われている緑はカトリックを象徴する色で、国中のいたるところにあしらわれています。



Dublin 10



食事、といっても、Englandのものとあまり変わりません。昨日知り合ったカナダ人の彼に教えてもらったハンバーガー屋に行くと、凄まじいサイズのハンバーガーが出されました。さすが北米の人。でも食べました。食べて、眠たくなったのでホステルに戻って昼寝しました。たまに休みになると、日頃の疲れが出てしまって思う様に動けません。

昼過ぎになって、また出掛けます。街の守護神、O’Connel像。ここがDublinのほぼ中心なのですが、今日はイースターという事もあって何やら集会の様なものが催されていてこの先は封鎖されていました。



Dublin 8



迂回して、かつてのEngland支配を象徴する税関、Custom Houseを眺めます。夜はライトアップされていてとても綺麗でした。



Dublin 9



それほど広い街でも無いので同じルートを何度も廻ってしまいますが、歩いていて本当に楽しい街です。

 ”Guess who's just got back today...”

わざわざ持ってきたTHIN LIZZYのCDを聴きながらこの街を歩く、それだけで感無量です。

明日は、ギネスの工場へ行く事とします。



Dublin 1
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2007年04月07日

誰も行かない北の方

今年のイースター休暇は、Irelandに行くことにしました。他の人は1週間くらい休みがあるのに、僕は3日間しか休みがもらえず、いい加減このなめられやすいというか人に軽く扱われやすい体質を何とかしないと、と反省。

この休みの間に旅行に行く事は決めていたのですが、行き先がなかなか定まらず、結局いつもの様に直前までかかって決めました。

第1候補、Hungary。 ”フォアグラを食べにHungaryに行こう” という同居人の発言に即賛成、さっそく飛行機を手配しようとするも時期的に値段がかなり高くなっていて、断念。

第2候補、Monaco。取り敢えず暖かいところに行きたいと考えて、それならばMonacoだ、と思い立つも、同上の理由で断念。

第3候補、Portugal。最寄の空港からLisboaへ行く便が無いという間抜けな理由で、断念。

そんな感じで、結局何処にも行けなかったというのが一番嫌なので、後に取っておこうと楽しみにしていたアイルランドにこの際行ってしまおうと決めたのでした。

どうせ行くなら、周りで誰も行った事が無さそうな国、Northern Irelandもついでに行ってみようと思い、1日目の今日はNorthern Irelandの首都、Belfastへと向かいました。

LondonのGatwick空港では、まだ明け方なのにも関わらずイースターを国外で過ごそうという人達で混雑していました。しかし、その誰もがSpainとかItalyとかGreeceとか、暖かい南の方に向かう人達が成す列でして、僕みたいにNorthern Irelandに行くなんていう人は殆どおらず、何処で何を待つ訳でも無く、スムーズに搭乗手続きを済ませてゲートに向かいました。

Londonから飛行機で1時間30分、Belfast空港に到着。空港がまた小さくて、地方に来たと実感。しかも、飛行機を降りた途端、何だか臭い。

バスターミナル程の広さしかない空港を出て、中心街に向かうバスに乗ります。その間、絶えずその臭い匂いから開放されませんでした。自分の鼻がおかしくなったのかと思った矢先、目の前に広がる牧草地にいるわいるわ羊、羊、羊。これか・・・。とんでもない所に来てしまいました。そして、やはり北に来ただけあって、寒いですね。

ちなみに、Northern Irelandという国は自治政府が認められているU.K.の一部です。そこら辺は意外と知られていない事なので、ここで少し簡単に説明してみます。

U.K.は、England、Scotland、Wales、そしてここNorthern Ireland、それからGibraltar、Isle Of Man等の本土外領土、島嶼領土から形成される連合王国です。国籍上は全て同じものとみなされますが、それぞれが独立した政府を持ち、それぞれに独立精神を持った文化、民族が存在します。

ここNorthern Irelandは、悲劇を重ねた歴史の舞台でもあります。カトリックとプロテスタントの対立、プロテスタントであるEnglandによる支配、清教徒革命による迫害、英愛戦争、内戦、独立・・・。様々な困難を経験し、プロテスタントが多数派を占めたNorthern IrelandがU.K.に残った訳ですが、自治政府が発足したのは1999年の事。現在2回目の凍結期間にありますが、今年5月にまた再開される事が決定しています。

Londonにいる人は、そこら辺の事情を知っている人が殆どな訳で、Belfastに行くと言うと心配されたりもしました。ここBelfastは、国際的テロ組織I.R.A.の本拠地としても有名だからです。折しもイースターという時期柄。いや、だからと言って、僕としてはまったくと言って良い程気にせず行ったんですけれどもね。

小さな街です。街の人は恐らくイースターで何処か旅行へ行ってしまったと見えて、街はもぬけの殻でした。



Belfast 2



かわいらしい街並みでした。特徴も無く、典型的なEuropeの街。

何やら倉庫らしき建物から頻繁に人が出入りしているので、入ってみると・・・。マーケットでした。Jazzバンドが演奏している中、買い物をしたり、コーヒーやビールを飲んだりしている人で賑わっていました。



Belfast 3



Belfast 4



チーズやオリーブを試食していると、日本人が珍しいせいか店の人によく話しかけられました。Northern Irelandの訛りなんて聞いた事も無いので見当もつかない、と思っていたら何の事は無い、Scotland訛りと殆ど同じでした。今ではScotland出身の友人が周りに何人かいるので普通ですが、Scotlandに初めて行った時は話しかけられても殆ど理解出来ず、これが本当に英語かと思ったものでした。 ”Yes”の代わりに ”Aye” と言います。舐め回す様なアクセントが特徴です。


さて、ものの3時間程で、街の中を1通り見てしまいました。まだ正午前。今日はここに1泊する予定・・・。やばい、何もする事が無い。あと10時間以上も、何をすればいいの。

という訳で、予定変更。ホステルにキャンセルの電話を入れ、1日予定を早めDublinへ。

電車で国境を越え、2時間30分でDublinに着きます。ディーゼル機関車に牽引される列車に乗って行きます。

切符なんてレシートみたいです。全然国際列車という感じがしません。



Belfast 6



この様に、街を1歩踏み出すとすぐ山です。



Belfast 5



電車の窓から見える景色がまたのどかで素敵でした。Englandの田舎の景色はEngland独特なのに対して、こちらは何処か日本の田舎を思い出させる様な景色でした。

一面に広がる畑と、青空。東海道本線で言うと、掛川、袋井辺り。

Dublinに着くと、様子が全く違いました。思っていたより遥かに都会でした。

国境を越えたとは言っても、U.K.とIrelandは2国間の人と物の輸送に関する協定を結んでいる為、パスポート検査は無し。しかし、ポンドをユーロに両替せねばならないという点に、やはり違う国に来たんだなという実感を持ちました。

川に沿ってカラフルな建物が並び、整然とした綺麗な通りを路面電車が通り抜けて行きます。良い街です。一目で気に入りました。

ホステルに着くと、同じ部屋に泊まっているカナダ人から話しかけられ、一緒に飲みに行く事に。

という訳で、まだ明るいうちから、ギネス。ここに来たからにはやはりギネスを飲まないと。しかし、物価が高いですね。Londonよりビール1杯の値段が高い場所に初めて来ましたよ。

ちなみに、昨夜も遅くまで仕事で、それから荷物をまとめて始発の便に乗った為、寝ていません。少し飲んで、部屋に戻ったら即寝てしまいました。でも予定を早めたお陰で、丸2日間Dublinで過ごせることになって嬉しいです。



Belfast 1
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2007年04月06日

探さないでください Part 3

何とかPart. 3までこぎつけました。

今回はアイルランドに行ってきます。北アイルランドに入国して、陸路で国境を越えて南に入り、ダブリンを目指します。

Musikmesse目当てのドイツ行きも、寒さから逃れにポルトガル行きも諸事情でキャンセルになり、結局憧れのアイルランドに行ってきます。

THIN LIZZYのCD持って行きます。あ、U2もね。あとRORY GALAGHERもENYAもPOGUESも・・・。あそこも音楽の国ですね。



業務連絡:

4月22日、日曜日にササナミ之神を拝みに久し振り (多分2年振りくらい) にケンブリッジに行きます。まっちゃんと一緒に行く予定ですが、他に行きたい人がいたら連絡ください。
posted by Yoshitaka at 21:48| Comment(4) | TrackBack(0) | Diary - Daily Life | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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